1|新事業進出補助金の概要|事業計画書を作成する前に
1-1|新事業進出補助金とは?
「新事業進出補助金」とは、既存事業者が新たな分野へ進出する際に活用できる補助制度です。フィットネスジムのような新規事業も対象となり、初期費用の負担軽減に役立ちます。
1-2|補助してもらえる金額と補助率
補助率は多くの場合「1/2」です。たとえば、750万円の支出に対して最大375万円の補助が受けられます。
総事業費 | 補助率 | 補助金額 | 自己負担額 |
---|---|---|---|
600万円 | 1/2 | 300万円 | 300万円 |
1,000万円 | 1/2 | 500万円 | 500万円 |
1-3|採択率の目安
採択率は30〜50%程度です。しっかりとした事業計画書が採択のカギを握ります。
2|【新事業進出補助金】事業計画書の基礎知識
2-1|事業計画書の役割とは?
事業の実現性・収益性・地域貢献性を審査員に伝える重要資料です。
2-2|作成前に準備すべきこと
- 企業の概要資料
- 立地やターゲット市場の情報
- 設備導入の見積書
- 収支シミュレーション
2-3|事業計画書の基本構成
- 企業概要・事業環境
- 課題と必要性
- 具体的事業内容
- 設備導入計画
- 収益・資金計画
3|【書き方①】補助事業の具体的内容
3-1|企業概要
例:MASA SPORTS(同)は、地域密着型ジムを通じて健康支援事業を新たに展開します。
3-2|事業環境分析
- 健康志向の高まり
- 地域に競合が少ない
- 高齢化により健康寿命延伸が求められている
3-3|事業を再構築する必要性
新たな収益の柱としてジム事業を位置づけ、既存事業との相乗効果を見込む。
3-4|要件との合致性
新分野展開に該当し、設備導入を伴い、地域雇用も創出される。
3-5|本事業の内容
- フィットネス・トレーニング機器導入(フリーウェイト・有酸素)
- 無人受付システムの導入
- スタッフの雇用と研修
3-6|導入設備・工事
- 最新フィットネスマシン
- セキュリティカメラ
- 施設内の内装・電気工事
4|【書き方②】将来の展望
4-1|対象ユーザー
- 30代〜60代の健康意識が高い層
- 地域の高齢者
- 運動不足のビジネスマン
4-2|市場規模とマーケット
国内のフィットネス市場は5,000億円を超え、今後も拡大が見込まれています。
4-3|価格・性能の優位性
低価格(月額7,000円)と最新設備の導入により、競合よりも優位な立場を確保。
4-4|事業化後の見込み
開業初年度で月会員の目標集客数を設定し、2年目以降に黒字化を予定。
※開業地域により目標集客数の設定が変わります。
4-5|課題と解決方法
課題: 会員の継続率が低下するリスク
対策: パーソナルトレーニングや地域イベントを通じた顧客満足度の向上
5|【書き方③】取得する主な資産
- フィットネス・トレーニング機器一式
- 受付設備とセキュリティ機器
- 看板や外装などPR設備
6|【書き方④】収益計画
6-1|実施体制・スケジュール・資金調達
- 例:代表+運営責任者+トレーナーで運営体制構築
- 準備期間:約3ヶ月※状況により変動
- 資金調達:補助金375万円+自己資金375万円
6-2|収益モデル
例:会員300名×月額7,000円=月商210万円、年商約2,500万円を目標
7|事業計画書をうまく仕上げるポイント
- 事業環境分析を丁寧に:地域特性や競合比較は具体的に記述
- 図表や写真を活用:視覚的に伝わる内容に
- 重要箇所は強調:太字・下線・マーカーで審査員の印象に残るように
8|事業計画書作成時の注意点
8-1|ページ数の制限
応募要領に沿ったページ数にまとめましょう。
8-2|審査項目の最終チェック
事業の「新規性」「有効性」「地域貢献性」など、審査項目をすべて網羅しているか確認します。
Point!|フィットネスジム開業に補助金を活用して賢くスタート!
設備投資がかさむフィットネス・トレーニングジム開業には、補助金の活用が非常に有効です。新事業進出補助金を正しく理解し、計画的に進めれば、大きな助けとなります。
事業計画書の作成に不安がある場合は、中小企業診断士などの専門家の支援を受けるのもおすすめです。